2010年10月9日土曜日

micmac


10月2日、サロンシネマで現在公開中の『ミックマック』を観てきました。『デリカテッセン』や『アメリ』でおなじみのフランス人監督ピエール・ジュネの最新作。コミカルな予告編と絵本の世界のようなカラフルなポスターに惹かれて、実は前々から気になってたこの作品。

舞台はパリ。幼い時父を地雷で亡くした少年バジル。見た目とは裏腹にかなり繊細でロマンチストな彼は、ある日偶然発砲事件の流れ弾に当たり、なんと脳内に銃弾を残したまま生きていくという運命を背負うことになる。ホームレスとなった彼を救ったのは、個性あふれるパリのホーレス軍団。そんなホームレス軍団が住処とするのが、ガラクタで出来た洞窟。人間大砲や痩せっぽちの力持ち発明家、瞬時測定の天才少女、身体がゴム状態の軟体女など、異風な力をもった人々が登場。この愛らしいわり者たちはガラクタ洞窟で共同生活し、信頼にあふれたひとつの家族を形成している。

ある日廃品回収中に、父を奪った地雷を製作した兵器会社と、その道挟んで反対側には自分の頭の中の銃弾を開発した兵器会社の2つを偶然にも発見する。あまりにも立派な兵器工場ビルの前に立ちすくむバジル、長年秘めてきた悲しみと怒りがこみ上げてきて、この瞬間この2社への復讐を決意。そして、変わり者ホームレス「家族」による、自慢の特殊技能や奇想に満ちた作戦がテンポよく始まる。

まるでおもちゃ箱をひっくり返したような、アンティークショップの倉庫を漁っているかのような、どことなく愛着を覚えるノスタルジックでかわいいガラクタの数々とそれに負けない個性を放つキャラクターたち。映像は『アメリ』同様に赤やオレンジなどの暖色系が多く、ホームレスが主人公とは思えない温かさがある。一方、人殺しの道具である兵器を売る事で金儲けに走る兵器会社の社長たちは、権力への欲望の固まりという印象。一文無しだけど、ピュアで温かい心をもつホームレス軍団と、お金と名声はあるけど仲間や愛のないエリート組織、その対比を随所でコミカルにシニカルに描いている。

バジル一行が思いつく復習作戦はどれもおもわず『ククッ』と笑ってしまうような、まるで子供のいたずらのようなアイディアの連発。どこか懐かしく、愛らしく、自分の子供のころの想像を思いださせる、ファンタジーなコメディーでした~。

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